羽ノ浦町南児童館の遊技場。床が剥げ、天板は撤去されたままだ=阿南市羽ノ浦町古庄

 阿南市が運営する児童館5館のうち3館で、雨漏りや床板の剥がれなどの傷みが目立っている。耐震診断も行われておらず、耐震性能が不足している可能性もある。保護者は「子どもを遊ばせるには危険」と早急な改修を求めているが、市は全5館の修繕予算が年間35万円と少ないことを理由に「費用がない」と説明している。

 傷みが目立っているのは、羽ノ浦町南児童館(同町古庄、1977年建築)と羽ノ浦町さくら児童館(同町春日野、78年建築)、黒地児童館(那賀川町黒地、79年建築)の3館。いずれも完成から35年以上が経過し、81年5月以前の旧耐震基準で建てられている。

 最も深刻なのは南児童館。遊戯室の天板は雨水の浸食で傷み、2012年に撤去された。現在は天井のはりがむき出しで、風雨が強い場合は雨漏りがある。床板の一部は剥がれ、児童がつまずく恐れもある。開館以来、天井や床の修繕はしたことがないという。

 同館は、在駐していた児童厚生員2人が退職したため17年4月から休館。新たに2人を確保できたため11月中旬に再開するが、修繕はしない。利用していた小学生の父親(39)は「再開は歓迎するが、改修を最優先にしてほしい」と訴える。

 さくら、黒地両児童館でも、天井や床の一部が剥がれたり、壁がひび割れたりするなどしている。

 市こども課は、現在の予算では割れた窓ガラスやトイレの修理をするだけで精いっぱいだとしている。

 また、市は「予算がない」との理由で、3館の耐震診断を行っていない。来年度に南児童館の耐震診断を行う予定だが、さくら、黒地両児童館は未定だ。

 3館とも市内の0~18歳が無料で利用でき、主に近くの小学生が放課後の遊び場として立ち寄っている。16年度の延べ利用者数は南が4367人、さくらが1773人、黒地が3284人。それぞれの地元小学校の学童保育クラブは、別の施設を使っている。

 市は「閉鎖は考えていない」とする。こども課の担当者は「限られた予算で同時の改修は難しい。優先順位を考え、できる限り早く進める」としている。

 市内には他に2館があり、1980年建築の羽ノ浦町西児童館(同町岩脇)は2013年度に耐震改修を実施。中野島児童館(宝田町平岡)は日亜化学工業の寄贈で16年にオープンしたばかり。