国民の祝日に関する法律にはこうある。<こどもの日 こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する>。おやおや感謝するのは母だけか。父の立場はどうなる。そういえば、もうすぐ来る「母の日」の方が「父の日」より扱いが大きな気も
何だか割り切れないが、ここは法律が制定された年に注目したい。1948年といえば敗戦から3年。国政史上初めて女性の参加が認められた衆議院選挙からまだ2年。戦前の家父長制の空気が、色濃く残ってもいただろう
推測である。日頃からそうなら、わざわざ書き込みはしない。顧みられることが少なかったからこそ、「母に感謝する」としたのではないか。父はいつも偉そうにしているじゃないか、と
そう考えると、これね、今なら「父に感謝する」とあってもいいですよ。家庭内での役割も力関係も、劇的に変わったのだから。<第一条 自由と平和を求めてやまない日本国民は>から始まる祝日法のどこにも、そんな言葉はないのだから
かといって「父母に感謝する」と改めれば何やら復古調。「保護者」としても意味合いは異なる。さてさて
70歳になる「こどもの日」。格差に貧困、インターネットと子育ての環境は様変わりした。祝日法の条文は条文として、一つ存在感を見せてみましょうよ、お父さん。