演奏会に向けてオカリナの練習に励む渡部さん=吉野川市鴨島町牛島の自宅

 徳島県内のオカリナ愛好家グループ・アミンダに所属する吉野川市鴨島町の渡部淑子(よしこ)さん(66)が19日、活動10周年の記念演奏会を、同市鴨島町の市鴨島老人福祉センターで開く。義母の看病をきっかけに手にしたオカリナ。10年間の演奏活動や義母への思いを胸に、本番に向けて練習に励んでいる。

 渡部さんは2008年秋、自宅近くの病院で義母の世話をしていたところ、当時の看護師長からオカリナを勧められた。息抜きになると思い、鴨島町の市文化研修センターで開かれていたオカリナ教室に参加。演奏経験は全くなかったものの、透明感のある素朴な音色にひかれた。

 習ったばかりの童謡や唱歌を病室で奏でると、義母は心地よさそうな表情を浮かべた。それが原動力となり、夫寧(やすし)さん(69)の支えもあって練習を続けた。09年10月に義母は86歳で亡くなったが「オカリナとの出合いを与えてくれた義母に感謝している」としみじみ語る。

 渡部さんは現在、アミンダの鴨島地区グループ・かもかもミールに加わり、イベントでの演奏や福祉施設への慰問などのボランティア活動を続けている。

 演奏会では演歌、ジャズ、アニメソングなど15曲を披露する。渡部さんは「10年間の思いを込めて楽しく吹きたい。オカリナの魅力を知ってもらうきっかけにもなれば」と話している。

 演奏会は19日午後2時から約1時間半。入場無料。アミンダ代表の森見美子(よしこ)さん(65)=同市山川町、音楽講師=は「渡部さんならではの音色をじっくりと聴いてほしい」と来場を呼び掛けている。