倒木に衝突し、前面の窓ガラスにひびが入った特急列車=29日午後2時40分ごろ、美波町の日和佐駅

 台風22号は29日、日本列島の南の海上を東寄りに進んだ。前線の活動も活発化し、九州から関東の太平洋側を中心に大雨となった。徳島県には正午から午後3時ごろにかけて最接近し、全域で風雨が強まった。JR牟岐線で列車に倒木が衝突して一時運転を見合わせたほか、徳島発着の海や空の便で欠航が相次ぐなど、交通機関のダイヤが乱れた。

 徳島地方気象台によると、美波町で午後1時10分、最大瞬間風速26・8メートルを観測。同1時42分に海陽町、同2時52分には阿南市蒲生田でそれぞれ25・6メートルを記録した。

 県の雨量計では、午後0時半までの1時間に美馬市木屋平大北で、同1時までの1時間に徳島市国府町矢野でそれぞれ24ミリの強い雨を観測した。降り始めの28日午前1時から29日午後6時までの総雨量は那賀町木頭出原で136・5ミリ、上勝町福原旭で119・5ミリ、徳島市で115・0ミリ。

 鳴門市瀬戸町では2戸で床下浸水を確認。三好市西祖谷山村では28日夕から2世帯2人が一時自主避難し、29日午後2時半までに帰宅した。

 午後1時5分ごろ、牟岐町橘のJR牟岐線を走行中の牟岐発徳島行き特急列車(2両、乗員2人、乗客4人)が、線路上に倒れかかった倒木(長さ約10メートル、直径約30センチ)に衝突し、前面ガラスの一部が割れた。乗員乗客にけがはなかった。牟岐-日和佐間は倒木撤去や点検のため、午後9時すぎまで運転を見合わせた。同線では上下17本が運休または部分運休し、上下3本が最大2時間21分遅れて約550人に影響が出た。

 南海フェリーは29日午後4時25分和歌山発から30日午前2時55分徳島発までの上下8便、オーシャン東九フェリーは29、30両日の徳島発着の上下計4便をそれぞれ欠航。徳島阿波おどり空港発着の空の便は、全日空の東京線上下2便が運休したほか、日本航空の東京線の一部の便で最大1時間余りの遅れが出た。

 県管理の国道と県道は午後10時時点で6路線12カ所が全面通行止めになっている。

 気象庁によると、宮崎県では、宮崎空港(宮崎市)や日南市で29日朝までの24時間雨量が400ミリを超えて過去最大になった。延岡市では最大瞬間風速40・7メートルを記録した。