強い台風14号は9日、四国沖から紀伊半島沖に進んだ。上陸する可能性は低くなったが、県内には10日明け方から朝にかけて最接近する見込み。徳島地方気象台は土砂災害や暴風、高波になどに警戒を呼び掛けている。徳島新聞の9日午後7時時点のまとめでは、阿南、阿波、美馬、つるぎ町の4市町で計6万3065世帯14万5145人を対象に「避難準備・高齢者等避難開始」が出され、阿南や海陽など5市町の12世帯16人が避難している。

 気象台によると、降り始めの7日午後4時から9日午後7時までの雨量は▽上勝町福原旭208・0ミリ▽那賀町木頭和無田178・5ミリ▽徳島市162・0ミリ―など。徳島市は10月1カ月分の降水量の平年値(146・2ミリ)を上回った。

 10日にかけて台風周辺の暖かく湿った空気が流れ込み、大気の状態が不安定になる見込み。10日に予想される1時間雨量は多い所で北部、南部とも30ミリ。午後6時までの24時間雨量では北部、南部とも120ミリと予想されている。

 風も強まり、10日の予想最大風速は北部の陸上で18メートル、海上で23メートル、南部の陸上で20メートル、海上で25メートル。波も高まり、北部は5メートル、南部は8メートルでうねりを伴って大しけとなる見込み。

 台風14号は9日午後9時現在、高知・足摺岬の南南東約210キロをゆっくりした速さで北北東へ進んだ。中心気圧は980ヘクトパスカルで、中心付近の最大風速は30メートル、最大瞬間風速は45メートル。中心から半径130キロ以内が風速25メートル以上の暴風域となっている。

牟岐線 運転見合わせ 公立校で臨時休校も

 台風14号の接近に伴って県内は9日、鉄道が一部運休したり船が欠航したりしたほか、道路の通行止めや学校が休校になるなどの影響が出た。

 JR四国は牟岐線の阿南―牟岐駅間の普通列車について、午後2時25分阿南発の下りと、同20分牟岐発の上りを最後に終日運転を見合わせた。特急は徳島―牟岐駅間の下り1本を運休した。10日も同じ区間で始発から昼ごろまで運転を見合わせる。阿佐海岸鉄道の阿佐東線は、海部―甲浦駅間で9日午後5時ごろから運転を見合わせた。

 空の便は、日本航空が9日に徳島を発着する路線を終日欠航した。徳島を経由して東京と北九州を結ぶオーシャン東九フェリー(東京)は9、10日に徳島を発着する上下4便で欠航を決定。徳島と和歌山を結ぶ南海フェリーも9日に続き、10日も全便を欠航する。

 県管理の国道や県道は、9日午後8時時点で5路線9カ所が全面通行止めになっている。県教委によると、公立学校は特別支援学校5校と定時制高校2校が臨時休校とし、小中高36校が授業の終了時間を早めた。

 県は、8日午後5時~9日午前11時に勝浦川の正木ダム(上勝町)で事前放流を行った。国土交通省が管理する那賀川水系でも、長安口ダム(那賀町)で8日午前5時半~9日午前10時10分に、川口ダム(同)は7日午後4時~8日午後7時に事前放流が実施された。