運転免許証を自主返納した徳島県内の高齢者が1~9月で2248人に上り、過去最多だった昨年1年間(1757人)を既に28%上回っている。高齢ドライバーの重大事故が全国で相次ぎ返納制度への注目が集まっていることに加え、県警も制度の周知に力を入れていることが高齢者を後押ししているようだ。

 県警運転免許課によると、今年1月には月別で過去最多となる321人が自主返納し、その後も毎月200人を超えている。返納者数は昨年の2倍のペースで増えており、7月末で昨年1年間を上回った。

 県警は、75歳以上の高齢ドライバーに対する認知機能検査を強化した3月の道交法改正に合わせて、免許更新前に受ける高齢者講習の通知はがきに、返納制度の詳しい説明を記載するようにした。

 県運転免許センター(松茂町)には同時期から、制度に関する問い合わせが増えた。担当者によると「自主返納者に交付される運転経歴証明書が身分証明書になるのなら、運転していないので返納しようと思う」といった声が多く寄せられている。

 一方、返納者の足をどう確保していくかという課題は残ったままだ。公共交通機関の運賃割引などの特典制度は、香川県などと比べると広がっていない。

 運転免許課の担当者は「団塊の世代の高齢化で自主返納は今後も増えていくとみられる。他の行政機関とも連携し、返納しやすい環境づくりを一層進める必要がある」と話した。