津波に備えた訓練で防潮板を乗り越えて県庁内に避難する住民=午前10時17分

 5日の「津波防災の日」を前に、徳島県と24市町村は1日、南海トラフ巨大地震の発生を想定した防災訓練を行った。県庁では津波に備えて県職員らが防潮パネルを閉め、避難してきた近隣住民を庁舎内に誘導した。政府は全国瞬時警報システム(Jアラート)を使った全国一斉の緊急地震速報行動訓練を実施し、県や市町村が参加した。

 訓練は午前10時に県内で最大震度7の揺れを観測し、その後に沿岸部に大津波警報が発令されたとの想定で実施した。県庁では職員が身の安全を確保した後に、浸水を防ぐため8カ所の出入り口を高さ1メートルほどの防水扉や防水板で閉ざした。

 県職員で構成する自衛消防隊は各フロアでけが人やガラスの飛散、棚の転倒などの被害を確認。負傷者を担架で搬送したほか、庁舎内での出火を想定した初期消火訓練も行った。

 津波避難ビルに指定されている庁舎への避難訓練では、近隣住民が次々と駆け込み、職員の誘導で階段を使って上層階へ上がった。歩いて数分の自宅から避難してきた徳島市昭和町2、無職隔山勝子さん(75)は「近いとはいえ、急いで逃げなければいけないので訓練で慣れておくことが大切。ちゃんと誘導してもらえた」と話した。

 津波防災の日は、大津波が紀伊半島などを襲った1854年の安政南海地震の発生日にちなみ、東日本大震災があった2011年に制定された。