長雨による冠水で葉が傷み、出荷できなくなったホウレンソウ=徳島市国府町東黒田

 10月の徳島県内は、秋雨前線や台風21号、22号の影響で記録的な大雨と日照不足に見舞われた。徳島市では、降水量が630ミリと平年の4・3倍を観測し、1945年(725・3ミリ)に次いで2番目の多さだった。日照時間は106・9時間と、記録の残る1893年以降で最短となり、農業に打撃を与えた。

 徳島地方気象台によると、10月の雨量は平年値と比較できる全7観測地点で3・1~4・6倍の多さだった。最多となったのは阿南市蒲生田で、平年の4倍の726・5ミリを記録。徳島市では15日間雨が降り、14~23日は10日間連続の長雨になった。

 日照時間は、徳島市で平年の64%にとどまるなど、各観測地点で平年の61~70%の短さだった。

 各地で農作物に大きな被害が出た。徳島市国府町東黒田では、収穫を控えたホウレンソウ畑が冠水するなどしたため、大半の農家は出荷を見送った。JA徳島市北井上支所ホウレンソウ部会長の友竹裕人さん(54)方の15アールの畑では、根腐れや葉の変色で全滅した。友竹さんは「23年農家をしているが初めての大きな被害だ」と語った。

 徳島市中央卸売市場などによると、現在は葉物や根菜野菜を中心に通常の2~3倍に値上がりしている。11、12月は品薄になることが予想され、高騰が懸念される。

 10月21日以降、台風が2週連続で週末に直撃し、秋の行楽にも影響を与えた。運動会や祭り、イベントが相次いで中止や順延となったほか、海陽町浅川のオートキャンプ場まぜのおかではキャンセルが10~20件あった。

 一方、恩恵を受けたのはコインランドリー。徳島市中昭和町2の「コインランドリー昭和」では乾燥機3台がフル稼働し、売り上げが平年の2~3倍に伸びた。