政府が、本年度からおおむね5年間で取り組む新たな環境基本計画を閣議決定した。6年ぶり4度目の見直しである。

 太陽光や風力などの再生可能エネルギーの活用を各地で進め、二酸化炭素などの温室効果ガスを削減する。関連する環境ビジネスで雇用を生むなどし、「地域」をキーワードに、地域の自立や活性化を目指すという構想が軸だ。

 人口減に直面している国内地域の課題をとらえ、脱炭素社会を目指す世界の動向にも沿っている。具体的な施策を着実に進めていく必要がある。

 脱炭素社会への歩みでは、温室効果ガスの排出量を、今世紀後半に実質ゼロとする目標を明確にした「パリ協定」が2016年に発効した。15年には、限りある資源の公平な利用と保全をうたう「持続可能な開発目標(SDGs)」を国連が採択している。

 いずれも地球規模で足並みをそろえて目指すべきものである。基本計画に内容を反映させたのは当然だろう。

 環境基本計画は今やエネルギー対策や自然保護といった従来の枠にとどまらない。社会・経済のあらゆる分野に関わる指針でもある。

 今回の見直しでは、野生鳥獣の食肉「ジビエ」の活用、自然資源を観光に生かしていく「エコツーリズム」の推進などが盛り込まれた。これらを充実させることが、地域再生の芽につながるはずだ。

 自治体は基本計画を踏まえ、自分たちの特性が生きる施策を考え、実行すべきである。