8月、鳴門市の徳島自動車道で路肩に停車中のマイクロバスに大型トラックが追突し、高校生ら16人が死傷した事故で、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪に問われたトラック運転手菊池誉司被告(50)=松山市南久米町=の初公判が9日、徳島地裁(坂本好司裁判長)であった。菊池被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。
検察側は冒頭陳述で、菊池被告が時速90キロで神戸淡路鳴門自動車道の下り車線を走行中に大鳴門橋で眠気を感じ、撫養トンネル(鳴門市)内ではまぶたを閉じそうになるほどだったが、運転を継続したと指摘した。
証拠調べでは、菊池被告が事故現場に至るまでに鳴門北インターチェンジなど4カ所で休憩を取ることができたと明らかにした。
起訴状によると、8月25日午後5時ごろ、鳴門市大津町大幸の徳島道下り車線で、大型トラックを運転中に居眠り状態に陥り、路側帯に止まっていたマイクロバスに追突。バスをガードレール外の土手に転落させた。路上に立っていたバス運転手の岡本勉さん(30)=阿波市阿波町綱懸=と、バス車内にいた乗客の富岡西高1年森下汐音(しおん)さん(15)=海陽町宍喰浦=を死亡させ、乗客14人に重軽傷を負わせたとしている。
次回公判は12月18日に開かれ、結審する予定。