首位奪還を期す徳島と昇格戦線にとどまりたい新潟の上位対決は、激しい攻防の末に双方が勝ち点1を手にした。鳴門ポカリスエットスタジアムで25日に行われたJ2第29節で、新潟のアルベルト監督は「互いに攻め合ったスペクタクルな(魅力ある)試合」と好感触。徳島のロドリゲス監督は「全てが良いわけではなかった」と険しい表情だった。2人のスペイン人監督の受け止めに温度差はあったものの、無得点試合ならではの緊迫感あふれる90分だった。

後半、右からのクロスに飛び込む徳島の河田(左)=鳴門ポカリスエットスタジアム

 互いにボールをつないで攻撃を組み立てるスタイルを持ち味としながらも、ボール保持率で6割と上回り、流れは徳島に傾いていた。前半17分のMF西谷の右足シュートや36分のFW垣田のヘディングシュート...。決定機もより多く築いた。

 フレッシュな選手を入れて前への圧力を強めようと、ロドリゲス監督は後半24分に一挙4枚代えを断行。FW河田には9月の新潟戦での劇的な決勝点に続き、今節もチームを救うゴールが期待された。

 ストライカーに用意されたチャンスは2回。30分の左クロスからのヘディングシュートはクロスバーをたたき、44分の左クロスに合わせた右足シュートはGKの体に当たってしまった。河田は特に2本目を「足がぎりぎり届いた中で、もう少し工夫できたら良かった」と悔しがった。

 新潟はポゼッションの成熟度でかなわないと見るや、ロングボール戦術にシフト。ボール保持者に強く来るプレスも鈍らず、徳島のビルドアップの大きな妨げとなった。MF渡井は「新潟が準備してきたプレスにはまってしまった」と相手の戦略や執念を認めた。

後半、相手FKに果敢な守備を見せる徳島の選手たち

 スタイルを貫き、優位に進めながら勝ち点3を手にできず、誰よりも選手が悔しい思いを抱えている。岩尾主将は「どちらに転ぶか分からない試合をものにするのは大事だが、負けないのも大事」と悲観はせず「シュート一本でも横着しない。一つ一つのプレーを大切に戦う」。スペクタクルな内容にゴールと勝利の興奮を加えてこそ、悲願は成就する。

 【徳島・ロドリゲス監督】 勝てる可能性もあったが全てが良いわけでもなく勝ち点1となった。相手の守備が良く、自陣でボールを失うこともあった。4、5本あった決定機を決め切れなかった。

 【新潟・アルベルト監督】 リーグの中でも成熟度の高い上位の徳島に対しておびえることなく正面から立ち向かい、攻撃的な試合ができた。選手の成長を誇らしく思う。勝ち点1は妥当な結果だ。