四国大生活科学部管理栄養士養成課程の近藤真紀教授(栄養学)らの研究グループは7日、2型糖尿病のラットに阿波藍の葉を与えた結果、血糖値の低下や体重増加の抑制に効果が出たと発表した。これまでの研究で、体脂肪や中性脂肪を減少させる効果を確認しており、近藤教授らは糖尿病などの生活習慣病を予防するサプリメントへの応用を目指す。

 

 研究グループは、2型糖尿病のラットに、藍の葉の粉末1%を加えた餌と通常の餌をそれぞれ10匹ずつ6週間与えて血糖値の変化を調査。藍の葉を与えたラットは、血中に含まれるグルコース(ブドウ糖)が35・2%減少し、インスリン濃度が上昇した。通常の餌を与えたラットに大きな変化はなかった。また藍を食べたラットはそうでないラットに比べ平均で約55グラム体重が軽かった。

 藍の種子を混ぜた餌を健康なラットに与える実験も行い、血糖値や中性脂肪、コレステロールの低下を確認した。藍の種子にはオレイン酸やリノール酸などの不飽和脂肪酸がバランスよく含まれ、近藤教授は生活習慣病の予防に効果があるオリーブオイルと同様の働きがあるとみている。

 研究グループは藍の葉を用いた実験を2015年に始めた。藍の葉の粉末を加えた餌を4週間ラットに与える実験で▽腹部や腎臓、腸周辺の脂肪が20%ほど減少▽血液中の中性脂肪が40~50%減少―などの効果を確認している。

 近藤教授は「今後の研究で食用としての藍の安全性を確認し、生活習慣病の改善に貢献したい」と話している。