19日の初公演で使われる3Dプリンターで制作されたお七(左)とお鶴=徳島大常三島キャンパス

19日の初公演で使われる3Dプリンターで制作されたお七(左)とお鶴=徳島大常三島キャンパス

 徳島大学地域創生センターは、3Dプリンターで制作した木偶を使い、阿波人形浄瑠璃公演を行う人形浄瑠璃クラブ「徳島大学A.BA(アバ)座」を発足させた。活動第1弾として、19日午後6時から同大常三島キャンパスで、新作の創作人形浄瑠璃を上演する。
 
 センターは2016年度から、3Dプリンターを使った木偶づくりプロジェクトに取り組んでおり、「八百屋お七」のお七や「傾城阿波の鳴門」のお鶴などを制作。最先端技術を生かして安価に制作できる木偶の魅力を広めようと、プロジェクトに参加経験のある同大の学生3人で、アバ座を立ち上げた。

 19日の初公演は、学生らが制作したお七とお鶴の2体を活用。徳島発のロックバンド、チャットモンチーの元メンバーで作家・作詞家の高橋久美子さんが、現代女性の心情などを描いた脚本を仕上げた。映画「セトウツミ」などを手掛けた作曲家の平本正宏さんが音楽を担当し、三好市出身の人形遣い勘緑さんらが2体を操る。

 アバ座の3人は今回の公演では裏方に回り、舞台を支える。今後は学生だけではなく、一般市民のメンバーも募り、人形浄瑠璃の操作技術の習得や、3Dプリンターを用いた木偶制作、オリジナル脚本による公演などを行う。

 メンバーで同大工学部3年河野太樹(ひろき)さん(23)は「公演を通じて、人形浄瑠璃に関心を持つきっかけになれば」と話している。

 アバ座の名称は、プロジェクトの活動拠点の同大フューチャーセンターA.BAにちなんで名付けられた。

 公演は入場無料、先着50人。問い合わせは地域創生センター<電088(656)7651>。