安倍政権の相次ぐ不祥事を重くみて、審議を拒否していた立憲民主党など主な野党が衆院本会議に出席し、国会は19日ぶりに正常化した。

党利党略ではなく、国民目線の実りある論戦を求める。

 与野党は、学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設に関して、柳瀬唯夫元首相秘書官(現経済産業審議官)を10日、国会に参考人として招致することで合意した。

 柳瀬氏は、学園関係者と首相官邸で面会していたと認める方向で、これまでの「記憶の限りでは会っていない」との答弁を修正するとみられる。

 これを受けて、柳瀬氏の証人喚問を求めていた野党も、国会での追及にかじを切った。

 愛媛県職員は、柳瀬氏と面会した際、「首相案件」との発言があったとする文書を作成している。事実なら、首相側の関与を裏付ける資料となる。発言の有無をしっかりと解明しなければならない。

 政府も柳瀬氏も、誠実に説明を尽くしてもらいたい。

 安倍政権が、今国会の最重要課題と位置付けている働き方改革関連法案の審議も、大きな焦点である。

 立憲民主党と国民民主党は、それぞれ対案を衆院に提出した。いずれも、労働時間規制の強化などが柱で、政府案に含まれる高度プロフェッショナル制度(高プロ)については「過労死を助長する」として、対案には盛り込まなかった。

 国民の生活や健康と密接な関係のある法案である。問題点を掘り下げることが大事だ。