阿南市長生町領田の用水路で、3基の水車が心地よい音を響かせながら水を田んぼに送っている=写真。収穫前の8月中旬まで稼働する。
3基のうち最も大きい水車は直径約2・5メートル、幅約0・6メートル。近くの畳製造業半瀬新一さん(70)と農業村崎明汎さん(71)が約30年前に手作りし、修理しながら使っている。
木製の羽根の先に付けた缶8個が、1分間に計約50~70リットルの水を用水路からくみ上げ、水田に供給している。
領田地区では明治初期から水車があり、10基以上が稼働していた時期もあった。電動ポンプの普及などで、現在は3基だけとなっている。半瀬さんは「水車のある風景をこれからも守っていきたい」と話している。