パネルを掲げて来場を呼び掛ける会員=徳島市国府町芝原

 正月の門付け芸「三番叟(さんばそう)まわし」など1人遣いの人形芝居「阿波木偶箱まわし」の継承に取り組む阿波木偶箱まわし保存会が22、23の両日、発足から20年余りの足跡を紹介する企画展を徳島市シビックセンターで開く。活動の様子を伝える写真パネルや人形を展示するほか、フルート演奏に合わせて大道芸「箱廻(まわ)し」を披露する取り組みにも初挑戦し、徳島の伝統芸能の魅力を広く発信する。

 会員が県内に唯一残っていた男性芸人に技術を学んだり、子どもらへの伝承教室を開いたりしてきた活動や、フランス、イタリアなどでの海外公演の様子をパネル約60枚で紹介する。男性芸人から譲り受け、国の登録有形民俗文化財となった箱や面などの門付け道具約30点、人形師初代天狗久の作品を中心とした人形と頭約90点も並べる。

 人形遣いの新たな可能性に挑戦しようと各日2回、鳴門市出身のフルート奏者岩﨑由佳さん(28)=川崎市=の演奏に合わせて箱廻しを披露。オペラ「トゥーランドット」の楽曲に乗せて会員2人が巧みに人形を操る。三番叟まわしも実演し、新旧の芸を通じて来場者に福を届ける。

 保存会は、明治初期に全国で人気を誇った徳島伝統の箱廻しが失われつつあることを嘆いた有志が、1995年に前身団体を結成したのが始まり。企画展では、徳島の箱廻しが全国に広がったことなどを調査した資料の展示、解説も行う。先着2千人に会の活動を写真で紹介したカレンダーも無料で配る。

 地域文化の活性化に貢献した個人、団体を顕彰する第39回サントリー地域文化賞(サントリー文化財団主催)の受賞を記念して企画した。中内正子会長(50)=徳島市国府町芝原=は「かつては身近にあった芸能を知ってもらうきっかけになれば。新たなチャレンジで芸を発展させ、次世代に引き継いでいきたい」と話した。