正月の門付け芸「三番叟(さんばそう)まわし」などの継承に取り組む阿波木偶箱まわし保存会(徳島市)の20年余りの歩みを紹介する企画展が22日、同市シビックセンターで始まった。会員らによる人形遣いの実演も行われ、大勢が伝統芸能を楽しんだ。23日まで。入場無料。
20年余りの活動を写真などで振り返るパネルや、国の登録有形民俗文化財となった門付け道具、人形師初代天狗久の作品を中心とした人形、頭など約300点が並ぶ。
初めての試みとしてフルート演奏に合わせて大道芸「箱廻(まわ)し」を披露。鳴門市出身のフルート奏者岩﨑由佳さん(28)=川崎市=が奏でる柔らかな音色に乗って会員2人が操る人形2体が華麗に舞うと、会場からは温かな拍手が送られた。「三番叟まわし」の実演や展示解説もあった。23日も行われる。
かつて東みよし町の実家に門付け芸人が来ていたという中川久満二さん(82)=石井町石井=は「懐かしかった。保存会の皆さんの努力や熱意には頭が下がる。貴重な文化をぜひ残していってほしい」と話した。
地域文化の活性化に貢献した個人、団体を顕彰する第39回サントリー地域文化賞の受賞を記念して開いた。