デジタル襖からくりのイメージ図(えんがわ提供)

 神山町教委と同町の映像制作会社「えんがわ」が、農村舞台の襖絵(ふすまえ)や人形浄瑠璃など地域に伝わる芸能文化をデジタルデータで保存する取り組みを進めている。第1弾として、襖絵をデジタル化し、襖からくりの操作を仮想現実(VR)で体験できる「デジタル襖からくり」を開発した。25、26の両日に同町で開かれる「4K徳島国際映画祭」で発表する。
 
 デジタル化した襖絵は、江戸時代末期から明治中期に使われ、同町神領の天王神社や町郷土資料館に保管されている町指定有形文化財の約1460枚。4月から高解像度での撮影を進めてきた。
 
 町在住のプログラマーらの協力で、襖が中央から左右に分かれる「引き分け」、縦軸で回転する「田楽返し」といった襖からくりの動きを、音や光の演出と組み合わせてプログラミング。画面に映し出された襖を観賞者が自在に動かせる仕組みにした。

 この他、阿波人形浄瑠璃で使われる頭を3Dプリンターで複製した。地元の人形浄瑠璃座・寄井座(上村都太夫座)や徳島市の人形師、甘利洋一郎さんが協力。初代天狗久作のえびす舞人形と、目や口の開閉ができる甘利さん作の総曲人形を3Dデータとしてスキャンし、3Dプリンターで頭2個を作った。

 映画祭期間中、映像の襖からくりを操作するVR体験コーナーや、実物の頭と3Dプリンターで作った頭を並べた展示がある。昔の阿波踊りや人形浄瑠璃公演を収めた古い写真や8ミリフィルムを4Kデジタル化した映像の上映も行われる。

 えんがわの担当、小松崎剛さん(36)は「先端技術と伝統を融合することで、長期的な保存・再生を目指すだけではなく、新しい魅力や可能性を模索できるのではないか。ぜひ実物を見てほしい」と呼び掛けている。

 午前10時~午後5時(26日は午後4時まで)、同町神領の劇場寄井座。観覧無料。問い合わせは、えんがわ<電050(3852)0234>。