開所した「神山しずくラボ」。藤本さん(右)が木工ろくろ技術の習得に向けて修業に励む=神山町神領

 神山町産スギの間伐材を使った食器の製作を手掛けるデザイン会社「キネトスコープ」(同町)が、木工所「神山しずくラボ」を同町神領にオープンさせた。製品の開発・生産拠点にするとともに、木工職人の育成や地域資源を生かしたものづくりの場として活用する。

 約130平方メートルの旧自動車整備工場を借りて改装し、10月下旬に開所した。木工ろくろをはじめ、グラインダー(研磨盤)やプレーナー(かんな)、電動のこぎりなどの工具を備えている。

 間伐材の食器は2014年、廣瀬圭治(きよはる)代表(44)=同町神領=が森林資源を守るために開発した。製作は木工ろくろ職人(木地師)がいる誠秀工芸(徳島市)に発注しており、将来的にはしずくラボでの生産を目指す。

 県内に木工ろくろ職人はわずかしかいないため、育成にも取り組む。ラボでは、木工ろくろ職人の道を志して大阪府茨木市から移住してきた藤本博文さん(27)=同町阿野=が技術習得に励んでいる。

 1時間500円でレンタルもでき、機械や工具、端材を使うことができる。来年2月には、観光客や町内のサテライトオフィスへの視察者向けに、木工ろくろの体験も始める。

 スギの木目や赤みを生かした製品は、15年にイタリア・ミラノ国際博覧会に出展し、17年には日本デザイン振興会のグッドデザイン賞に選ばれるなど注目度が高まっている。

 廣瀬代表は「地場資源である木の温かみを生かしたものづくりができる拠点を目指す。利用者が交流し、地域で面白いものが生み出されるスペースにもなれば」と話している。