観客席、踊り子ともに間隔を開け実証試験を行った「阿波おどりネクストモデル」=21日、徳島市の藍場浜公園

 来夏の徳島市の阿波踊り開催に向け、新型コロナウイルスの感染対策の検証を兼ねた踊りイベント(阿波おどり実行委員会主催)が21日、市内の藍場浜公園で始まった。踊り手も観客もマスクやマウスシールドを着け、間隔を空けて踊り、観覧した。例年とは異なるウィズコロナ時代を見据えた演舞が繰り広げられた。22日まで。

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 県阿波踊り協会徳島支部の15連約160人と、舞きょう連(北島町)の12人が出演した。踊り手は飛沫対策としてマスクを着けたり、周囲との間隔を意識したりしながら、軽快なぞめきに合わせて流し踊りを披露。「ヤットサー」の掛け声や向き合って踊るような演出も控えた。

 感染対策の制限がある中、踊り手は巧みなうちわさばきや足運びで観客を楽しませた。蜂須賀連の円道美夕さん(22)は「声が出せなかった分、周りとの動きを合わせるため、いつも以上に集中できた。演舞場で踊れるのはやっぱりうれしい」と前を向いた。

 一方、踊り手の負担を指摘する声もあった。独楽連の大貝一也さん(49)は「マスク着用で踊るのは苦しく、夏場はさらに難しいだろう。踊っているときは間隔を空けているが、待機中はどうしても密になる」と気をもんだ。

 午前と午後の公演には県内外から計約1500人が来場し、拍手や手拍子で演舞に応えた。桟敷席は観客同士の感染リスクを避けるため、座席間は3席空けて前後左右にそれぞれ1メートル以上離した。入場券はスマートフォンを使ったデジタルチケットを導入して接触を減らし、入り口では検温や体調確認なども行った。

 香川県三木町のパート従業員上木理さん(52)は「今できることを精いっぱい見せてくれた。感染対策は尽くされ、不安はなかった」と話し、徳島市の会社員女性(27)も「空いた間隔に寂しさを感じたが、次第に慣れた。踊り手の表情もよく見えて良かった」と満足した様子。中には「掛け声や歓声がなく、阿波踊りらしさに欠ける。物足りない」といった不満の声もあった。

 実行委員長の内藤佐和子市長は来夏の阿波踊り開催について「本来の良さはなかなか伝えづらいかもしれないが、第一歩になった。出てきた課題を検証し、来年につなげる」と述べた。

 22日は阿波おどり振興協会の踊り手が中心となって演舞する。

間隔があけられた客席=21日午前、徳島市の藍場浜公園