列を減らすなどの感染防止策を取って披露された総踊り=徳島市の藍場浜公園

 新型コロナウイルスの感染対策の検証を兼ねた阿波踊りイベント(阿波おどり実行委員会主催)は最終日の22日、市内の藍場浜公園で、踊り子が一斉に踊り込む「総踊り」があった。列の数を通常の約半分に減らして間隔を保ち、踊り子同士が向き合わない時は「ヤットサー」の掛け声も控えめに響かせた。

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 総踊りを演じたのは有名連でつくる阿波おどり振興協会14連の332人で、本来の約1700人の5分の1。イベントのフィナーレの約15分間、4列で踊り込んだ。10月中旬に再開した協会の練習でも踊り子の数が限られており、天保連の荒尾正徳さん(47)は「安全対策の試行錯誤を続ける中、今できる最大限の総踊りを見せられたと思う」と話した。

 この日のイベントでは初日と異なり、演出方法を検証するため、協会の出演者はマスクをせずに踊った。総踊りの前には一般連3連の約70人も加わり、同じように2メートル以上の間隔を空けて流し踊りを繰り広げた。

 桟敷席は収容可能席数の約5分の1だけを使用し、午前と午後の公演で計1350人が入場した。徳島市国府町の新田啓子さん(72)は「派手な演出がない分、正統派の踊りが見られてよかった。今回をベースに来夏は必ず踊りを開いてほしい」と話した。

 実行委員長の内藤佐和子市長は「掛け声がよく聞こえ、初日よりも会場内に活気があった」と述べた。来夏の本番に向けた課題については▽空席を増やすことによる減益▽踊り子や出演連の減少に伴う演舞場数と規模の適正化▽会場外の雑踏での感染対策-などを挙げた。