阿南市新野町のシンガー・ソングライターKEi(ケイ)さん(24)=本名非公表=が、ミニアルバム「阿波DANCING」を製作し、CDデビューした。難病で若くして亡くなった幼なじみのために書いた曲も収録されており、県内のCDショップで販売している。
全5曲入りで、KEiさんが作詞作曲。亡き親友に贈る「君にありがとう」は3曲目に収録した。中学時代、作詞するには本をたくさん読むことが必要だとアドバイスしてくれた友にささげたバラードだ。
脳腫瘍を患っていた親友の完治を願い、初めて作詞作曲した曲で、完成翌日にサプライズで聴かせようとしたが、その日に旅立ってしまった。
感謝の気持ちを伝えられなかったKEiさんは、詩を書き直し、親友にささげる曲に仕上げた。「KEi」の芸名は、この親友の名前の一部から取られている。
1曲目の「阿波DANCING〜けんけん、うるさいけん!〜」は阿波踊りをイメージし、笛や三味線を使用。2曲目の「Fireworks」は、8月の阿南市花火大会「宝田花火大会」のテーマソングに起用されることが決まっている。
KEiさんは歌手志望だった母の影響で、小学6年からバンド活動や作詞作曲を始めた。阿南工業高校卒業後は地元の化学メーカーに就職。2016年秋に徳島市の音楽出版社・ブルーモーションにスカウトされ、17年暮れに退社してデビューに備えてきた。
KEiさんは「子どもからお年寄りまで親しめる曲が出来上がった。多くの人に聴いてほしい」と話した。
CDは1620円(税込み)。平惣各店など県内のCDショップ20店で取り扱い、音楽配信サイト「iTunes」などでも配信中。15日には全国発売される予定。