大学入試に向けた勉強が大詰めを迎えるこの時期。何から手を付ければよいのか分からず、焦りや不安を感じている受験生もいるのではないか。志望校合格を勝ち取るための効果的な学習方法や心構えはどのようなものなのか。徳島県内の高校から4月に難関の東京大に進学した小川暖さん(19)=文科二類1年=と米本竜馬さん(18)=理科一類1年=に、それぞれの体験を交えてアドバイスしてもらった。

「最後まで諦めず合格を勝ち取ってほしい」と受験生にエールを送る小川暖さん=東京都目黒区の東京大駒場地区キャンパス

 私の受験科目は、センター試験(2021年度入試から大学入学共通テストに移行)と2次試験で共通していたのが国語、数学、英語、世界史、日本史、センター試験だけだったのが化学基礎と生物基礎でした。

 勉強は2次試験重視で、センター試験は学校でもらったプリントや模試で対策をして、12月から1月にかけて過去問を解きました。国語と数学は高校3年から塾に通っていましたが、2次試験の指導は主に学校の先生にお願いしていました。

 2次試験本番までに各教科の過去問を20年分は解いておきたかったので、市販の問題集を解いて答案を先生に添削していただき、解答をしっかりと読んで数日後に復習するというやり方を繰り返していました。

 私の場合、2次試験の時間配分が国語150分、数学100分、英語120分、歴史150分だったので、1年分の問題を解くだけで計8時間40分必要で、これに加えて指導を仰ぐ時間と復習の時間がかかります。

 このように過去問演習には時間がかかるので、計画的に進めた方がよいでしょう。私は計画をあまり立てずに勉強したので世界史を7年分しか解けず、この科目が足を引っ張って落ちるかもしれないと不安になりました。

 私は日本史と数学が苦手だったので、日本史は過去問をたくさん解くことで傾向をつかんで、資料を読み取る力を身に付けました。数学は先生に補助的な教材をもらったり、解説を聞いたりすることで克服しました。

 国語や世界史も苦手意識はありましたが、受験までに克服できなくても地道に実力を付けていけば合格できるのだと思います。

 試験が近づいてくると不安になることがあります。私は12月ごろに歴史の知識が頭に入らず不安を感じましたが、一緒に大学を目指す友人に話を聞いてもらうと落ち着きました。黙々と勉強する中で孤独を感じたら、人と話してみてはどうでしょうか。

 受験が近いのにだらだらと無駄な時間を過ごしてしまい、自己嫌悪に陥ることもあります。それでも「そんなこともあるさ」と受け止めて、次の日から頑張ればいいのです。過剰に落ち込んだり、自分を責めたりしないでください。

 生活面では睡眠を十分に取ることを重視していました。寝る時間を削って勉強しても眠気で集中できません。眠くなったら、立って勉強する、スクワットをする、10分だけ寝るといった対策で眠気を覚ましていました。

 皆さんは過去問20年分をこなせないかもしれませんが、不安になる必要はありません。私も先輩から聞いた勉強量を達成できませんでした。受験生の皆さんは毎日頑張ってきたことでしょう。その努力が報われ、合格通知をもらう瞬間の喜びは本当に大きなものです。自分に「大丈夫」と言い聞かせてください。合格できますよ!

 おがわ・はる 小松島市出身。城東高校卒業。高校時代は外語部に所属する傍ら、徳島駅伝の練習会にも参加した。徳島の好きな場所は大塚国際美術館と城東高の図書室。

「自分が正しいと思うやり方を信じて取り組んでほしい」とアドバイスする米本竜馬さん=東京都文京区の東京大本郷地区キャンパス

 私の受験科目は、国語、数学、英語、物理、化学がセンター試験と2次試験で共通していて、地理はセンター試験だけでした。

 高校1年の冬から予備校に通い、高3の夏からは東大特進コースで国語、数学、英語の映像授業も受講しました。夏まではどの教科も基礎を固めて、秋から2次試験の過去問10年分を学ぶことを目標に演習を繰り返しました。気になった分野は教科書や参考書を使って細部まで見直し、知識を定着させていきました。

 国語は、正しい答えを導き出すためのプロセスを身に付けることが大切です。現代文は筆者の主張や文章の構成に沿って出題されるので、過去問演習をこなす時から文章の構造を理解しながら読むことを意識しました。

 数学は、問題の構造を意識して解答を導き出せるようになることが重要です。それぞれの式や条件がどういう関係にあるのかを整理整頓することで、複雑な問題に直面しても困惑せずに解答することができます。たとえ簡単な問題であっても構造を意識し、より丁寧に解くことで習慣化することができます。

 英語はとにかく演習問題をこなすことで、厳しい制限時間の中で全て解き切る力を付けられるように心掛けました。英作文は学校の補習等で外国語指導助手(ALT)の先生に見ていただいて助言をもらいました。

 物理は予備校で学んだ、さまざまな現象の基礎になっている原理を理解するという姿勢を貫きました。自分で簡単な問題を設定してそこから得られる情報を求めたり、模試で分からなかった問題を解説に従って原理から考えることでいろいろな式を導き出したりしました。

 公式を暗記するだけでは、複雑な問題を解く時に使いたい公式を当てはめてよいかどうか分からなくなります。原理から考える癖が付いていれば、迷わず対処できます。

 化学はとにかく基礎的な知識や計算の手法を固めることが重要です。演習を積む時期になっても基礎のテキストを見直し続けることをお勧めします。

 地理はセンター試験用の薄い問題集を繰り返し解いて、間違えたところを完璧に理解するまで反復しました。

 受験勉強の方法についてはさまざまな情報が飛び交っていて、不安に駆られることもあると思います。それでも、現時点での模試の合格判定などは気にせず、自分のペースで試験本番に間に合うように勉強を続けていけば、結果は必ずついてくるでしょう。

 また、定期的に休みを取ったり、何もしない日を作ったりしてもよいでしょう。自分が正しいと思うやり方を信じて取り組んでください。皆さんの健闘を祈っています。

 よねもと・りょうま 徳島市出身。徳島市立高校卒業。大学では音楽部管弦楽団とアカペラバンドサークルLaVoceに所属している。将来の夢は人工知能(AI)開発のスキルを活用して暮らしを便利にするものづくりをすること。