徳島滞納整理機構が作成した不適切な名刺。上は名の読み、下は名前が事実と異なる(画像の一部を加工しています)

 徳島県と県内24市町村が共同で滞納市町村税の徴収に当たる徳島滞納整理機構が、佐那河内村から派遣された男性職員(28)に対し、実名とは異なる呼称を印字した名刺を支給していたことが分かった。男性職員は不快感を抱いて機構側に抗議し、機構長が名刺を作った職員ら5人を口頭で注意した。いじめとも受け取られかねない行為で、機構の管理責任が問われそうだ。

 機構などによると、男性職員に支給された名刺は2種類あり、一つは正しい名字に名前の部分が「ロペ」とされ、もう一つは正しい名前に「ろぺ」とルビが振られていた。支給枚数については、男性職員は不適切な名刺ばかり数十枚としているが、機構は2枚としている。

 「ロペ」はテレビ番組に登場するキャラクターの名前で、男性職員は赴任当初から職場でそう呼ばれており、不快感を抱いていた。機構では以前から実名とは別の呼称で呼び合う慣習があり、男性職員以外にも同じ番組の別のキャラクターの名前で呼ばれている職員がいたという。

 機構は、名刺は当時所属していた別の職員が業務の一環で作ったと認め、「意思疎通を図り、仲良くやっていくために作った」と釈明。機構長は取材に対し、「悪ふざけが過ぎた残念な事案であり、申し訳ない」と謝罪した。

 男性職員は「徴税機関のトップである機構で不祥事が起きたことは信用失墜につながり、許せない。職員教育を徹底してほしい」と話している。

 機構は機構長以下7人体制で、県と各市町村から派遣されている。男性職員は2019年4月に派遣され、当初2年間の予定だったが、「職場内の意思疎通に支障が生じる」などとして同年6月に村に戻された。名刺を作った職員は19年度末で任期を終え、自治体に戻っている。