2012年7月に始まった女子選手による競輪「ガールズケイリン」。現在152人がしのぎを削る世界に小松島西高3年の藤原春陽さん(18)が挑もうとしている。昨年の全国高校総体自転車競技の女子500㍍タイムトライアルで3位入賞を果たしたホープは、10月と11月の入所試験を終え、来年1月14日の合否発表を待つ。

ガールズケイリン選手を目指す藤原春陽さん=小松島市

 藤原さんは日本競輪選手養成所(静岡県伊豆市)の選手候補生入所試験に挑戦中。10月の1次技能試験を突破し、今月25日の2次試験では学科や面接などに臨んだ。藤原さんは「1次試験は緊張せずに手応えがあったが、2次は全然自信がない」と不安も口にする。

 競輪選手の父・義浩さん(47)の影響で、幼い頃から小松島競輪場に出入りしていた。小・中学校ではバレーボールに熱中したが、小松島西高入学後に義浩さんらの勧めで自転車部に入部。「練習すればするほどタイムが縮まるのが面白い」と、のめり込んだ。

 初の全国舞台となった19年3月の全国高校選抜では、19人が出場した女子500㍍タイムトライアルで1年生ながら5位入賞。好感触をつかむとともに「競輪選手になりたい」と本気で考えるようになった。

 その年の7月にあった全国高校総体女子500㍍タイムトライアルで3位、10月の茨城国体では女子ケイリンで準決勝まで進み9位入賞を果たした。元来の身体的な強さを生かし、競技を始めて1年余りで全国トップクラスへ躍り出た。日本自転車競技連盟(JCF)のジュニア強化指定選手に選ばれるなど急成長を遂げている。

自宅にあるローラー台で練習を積んでいる藤原さん=小松島市

 新型コロナ感染リスクを考慮し、今年9月の全国高校総体代替大会(京都)の出場を辞退。入所試験一本に絞り、義浩さんの指導を受けながら練習に励んできた。連日4時間ほどバイクにけん引されながらバンクを走ってスピード感覚を養ったり、ダッシュ力を鍛えるためにギアを使い分けて山の坂道を駆け上がったりしている。40㌔のロード練習に出ることもある。

 義浩さんにこぎ方や体の重心の置き方など基礎をたたき込まれ、フォームが崩れると即座にアドバイスを受ける。義浩さんは「全ては練習の積み重ね。それを怠るとすぐ駄目になる世界。自分に厳しくあってほしい」と助言する。

 全国各地で開催されている「ガールズケイリン」も、小松島と小田原(神奈川)はまだ設備が整っていないため開催されていない。小松島は規定に合うよう現在改修が進められており、藤原さんは「将来、地元で開催されたら、観客席が満員になるよう盛り上げたい」と目を輝かせる。順調に行けば養成所に入ってから約1年後にはデビューとなりそう。徳島から新たなヒロイン誕生なるか。周囲の期待を背に受け、疾走する。