阿佐東線(徳島県海陽町-高知県東洋町)に線路と道路の両方を走る車両デュアル・モード・ビークル(DMV)が導入されるのを控え、これまで同線を走ってきた阿佐海岸鉄道(同町)のディーゼル車両「しおかぜ」「たかちほ」が30日夜、最後の運行を終えた。

多くの人たちに見送られる最終列車「しおかぜ」=11月30日午後8時半ごろ、海陽町の海部駅

 最終便が出発した海部駅には、慣れ親しんだ車両の最後の勇姿を見ようと大勢の町民や鉄道ファンらが集まった。同社の三浦茂貴社長(海陽町長)の合図で午後8時31分に「しおかぜ」がゆっくりとホームを離れると、「ありがとう ごくろうさま」などと書かれたオリジナルデザインのタオルを頭上に掲げた。

最終列車「しおかぜ」に乗車する鉄道ファンや乗客=11月30日午後8時半ごろ、海陽町

 最終便の乗客約30人は、車内の様子をカメラに収めるなどして別れを惜しんだ。同42分に終点の甲浦駅に到着した「しおかぜ」は住民らに見守られながら車両基地へ回送された。

最終列車「しおかぜ」の到着を待つ鉄道ファン=高知県東洋町の甲浦駅

  1992年の開業当時、高校への通学に利用していた同町宍喰浦の会社員戎谷真一さん(46)は「地元の足として欠かせない存在だった。これまでご苦労さまと言いたい。ディーゼル車両独特の乗り心地はずっと忘れない」と話した。

 同社では本年度中のDMV導入に向けて駅舎の改修工事や試験走行を行うため、1日から全便を運休し、バスとタクシーで利用客を代行輸送する。