J2徳島ヴォルティスは12日午後4時から、鳴門ポカリスエットスタジアムで京都サンガと対戦する。2連勝中の徳島だが、前節水戸戦でボランチの岩尾主将が肩を負傷。故障中の一部メンバーに加えて攻守の大黒柱を欠くピンチに直面している。昨年の対戦で1分け1敗の難敵から勝利をつかむには選手全員の奮起が求められる。
「代えがたいアンカー」。周囲からそう呼ばれる岩尾。昨年は、相手と競り合うタックルやパスがいずれもチーム最多で攻守の要として機能した。ロドリゲス監督も「徳島のプレーは彼から始まる」と役割の大きさを強調する。
岩尾が負傷で退いた水戸戦の後半は小西、シシーニョがボランチに。最後まで足を止めずに山﨑の先制点を守り切ったが、徳島らしいサッカーが展開できたわけではない。小西は「位置取りやボールの動かし方もまだまだ」と課題を挙げた。
岩尾が欠けた穴は、すぐには埋められず「全員でカバーする」(ロドリゲス監督)しかない。石井、大﨑ら高さのあるDF陣、運動量豊富な両サイド、状況に即応できるベテラン大屋など、ピッチに立つ全員がより速く、激しく、正確なプレーを意識できるかが勝敗の鍵になる。
京都は、DFながら昨年15得点の闘莉王をはじめ、個人で状況を打開できる選手が並ぶ。ただ、失点の約半数がセットプレーからという「弱点」も持つ。徳島は10日の練習を一部非公開にしてセットプレーの動きを再確認した。
徳島の勝ち点は17で13位。リーグの中位には、徳島と勝ち点1差内に9チームがひしめいている。ホームの声援を力に勝ち点をつかみ、混戦を抜け出したい。