最後の金長まつり会場となる可能性が出てきた金長大明神=小松島市中田町脇谷

 小松島市の日峯大神子広域公園(脇谷地区)の再整備に伴い、同市中田町脇谷の「金長大明神」(通称・金長神社)が存続の危機に立たされている問題で、毎年5月に神社で行われてきた「金長まつり」が、13日で最後となる可能性が出てきた。神社の保存方法によって社殿が取り壊される場合があるためで、市民からは心配する声が上がっている。

 金長まつりは、社殿が建立された1957年から、毎年5月に例大祭として催されてきた。金長だぬきの像を載せたみこし担ぎや稚児行列があるほか、神社付近で写生大会などもあり、多くの市民が参加してきた。

 来年以降の開催は決まっておらず、祭りを主催している「春のまつり委員会」の事務局は「関係者らと継続の可否を話し合いたい」としている。

 市民からは懸念の声が上がっている。小学生の時に祭りに参加した兼広知儀さん(58)=同市日開野町川田、エンジニア=は「金長まつりには、幼い頃の思い出が詰まっている。最後になるとさみしい」と話す。谷澤義治さん(52)=同市小松島町南開、アルバイト=も「神社は市民の心のよりどころ。祭りを続けてほしい」と訴える。

 公園の整備計画では2019年度末までに公園内の施設を取り壊し、20年度から建設工事、23年度に供用開始となっている。神社の保存方法は、公園の整備方針を協議する有識者会議が検討中。

 市まちづくり推進課は「長年親しまれてきた祭りは、今後も続くことが望ましい。どのような形で神社を保存できるか、有識者会議の意見を踏まえて考えたい」としている。