サッカーが大好きだった大杉漣さん。徳島ヴォルティスの応援にもよく駆け付けた=2005年、鳴門ポカリスエットスタジアム

父との思い出などを語る隼平さん=徳島市内

 サッカーのJ1復帰まであと1勝と迫っている徳島ヴォルティス。2018年に死去した小松島市出身の俳優大杉漣さん=享年(66)=の長男で写真家の隼平(しゅんぺい)さん(38)=東京都=は、熱心なサポーターだった父の思いを胸に昇格の瞬間を心待ちにする。16日のホーム最終戦には、鳴門ポカリスエットスタジアムへ大杉さんのユニホームを持参し、父が愛したチームの晴れ姿を見届ける。

 「父はめちゃくちゃヴォルティスが好きだった」。大杉さんは休みがあればスタジアムに足を運び、どんなに忙しい時もテレビで試合を観戦。試合前日にはよく観戦の誘いの電話が隼平さんにかかってきた。

 大杉さんのサッカー好きを象徴する思い出も。小学生の頃、サンタクロースにバスケットシューズをお願いした隼平さんの元に贈られたのはサッカーシューズだった。「それくらい、僕にもサッカーをしてほしかったんでしょうね」と懐かしそうに笑う。

 ヴォルティスが7年前にJ1昇格を決めた日のことは忘れられない。試合終了後、電話の向こうで父の歓喜の声が響いた。「やったー!やったぞ、隼平!」。普段はあまり聞かない弾んだ声が、今もはっきり耳に残っているという。

 ファンクラブの年間会員は今も大杉さんの名で継続中だ。家族でヴォルティスを応援し、試合結果は必ずインターネットで確認する。「今季は戦いぶりが安定している印象」と話し、首位に立ってからは一層関心を持ってチェックしている。

 「父も連れて行ってあげたい」との思いから、16日は大杉さんが大事にしていたユニホームを持ってスタジアムに向かう。当日までに昇格が確定していたら、祝福の気持ちを込めて観戦するつもりだ。「きっと父も喜ぶ。もしリーグ優勝の瞬間も見ることができれば、忘れられない思い出になるだろう」と期待を込める。

 「自分にも徳島の血が半分流れている。徳島は大切な場所になっている」と隼平さん。「新型コロナウイルスの感染拡大による不安もある中、ヴォルティス昇格は徳島にとっての希望。一サポーターとして昇格を願っている」とエールを送った。