小松島市小松島町の沿岸部にある徳島小松島港本港地区は、公共施設や行政機関の事務所、公園が集まる市内有数の交流拠点だ。1934年に貿易の重要港湾として整備された港には漁船や貨物船が停泊し、大型クルーズ船も訪れる。イベント会場として使われる機会も多い。夏には約2500発の花火が上がる「小松島港まつり」が開かれ、地域住民や観光客でにぎわう。

高さ5メートルのタヌキ像「小松島ステーションパーク」

 1985年に廃止された旧国鉄・小松島線は、牟岐線の中田駅(中田町)から東に1・9キロ、「日本一短い路線」と呼ばれていた。小松島駅があった周辺に整備されたのが小松島ステーションパークだ。

 SL記念ひろばには、旧国鉄時代のC12系蒸気機関車が展示されている。駅舎を模したあずまやに掛けられた「小松島駅」の看板は、実際に使われていたものだ。

 目玉は、高さ5メートル、重さ約5トンの金長たぬきの銅像。タヌキ像としては世界一の大きさ。民話「阿波の狸合戦」に登場する小松島の金長にちなみ、市が約2600万円をかけて造った。愛らしい姿が見る人を癒やす。銅像前で手をたたくと、背後にある人口滝に水が流れるという遊び心も楽しい。

小松島ステーションパークにある世界一大きな金長たぬき像

景観人気、穏やかな空間「みなとオアシス交流広場」

 約1500平方メートルのウッドデッキが敷かれた「小松島みなとオアシス交流広場」は、2008年に県や市が共同で整備し、イベント会場として使われている。小松島湾を臨む景観が人気だ。

 年4回、手工芸家らが約60のブースを構える「みなとマルシェ」が開かれている。浴衣コンテストやダンスステージ、食のイベントなど用途はさまざま。普段は散歩を楽しむ夫婦やベンチに座って海を眺めるカップルの姿が見られ、穏やかな空気が流れている。

 夜になると、近くの新港桟橋にアジやイワシ狙いの釣り人が集う。LED照明が足元を照らし、転落防止柵もあるので初心者も安全に釣りが楽しめる。

ウッドデッキが敷かれたみなとオアシス交流広場。小松島湾が一望できる

常設のフリマが人気「みなと交流センターkocolo」

 1999年まで小松島―和歌山間を結んでいた南海フェリーのターミナルビルを改修し、2002年に交流拠点として生まれ変わったのが「みなと交流センターkocolo」だ。NPO法人・港まちづくりファンタジーハーバーこまつしまが運営し、産直市や喫茶店、展示イベントなどを開いている。

 力を入れているのが常設のフリーマーケット。月1650円の利用料を払えば誰でも出品でき、地域住民が不要になった衣服、おもちゃ、装飾品、バッグなど千点以上を並べている。出品者が思い思いに値段を付けており、お買い得の掘り出し物が見つかることもあるという。

 学生が使える交流スペースを2階に整備し、授乳室を設けて利便性の向上を進める。事務局の中平勇人さん(30)は「港に遊びに来た人が休憩できる空間づくりを目指している。本港地区のにぎわいづくりに貢献したい」と意気込んでいる。

常設のフリーマーケットや喫茶店などを備えるみなと交流センターkocolo

徳島の貿易支える「国交省小松島港湾・空港整備事務所」

 国土交通省の出先機関である小松島港湾・空港整備事務所は、紀伊水道と播磨灘の環境保全や県内12港湾の整備などを行っている。1949年に事務所を構え、大型貨物船が寄港できる岸壁の建設、津波に備えた防波堤整備と、70年にわたって港発展に取り組んできた。

 海を漂うごみ除去も業務の一つ。流木やプラスチックは航行を妨げ、船体を損傷する恐れがある。海面清掃兼油回収船「みずき」を使い、年間約500立方メートルのごみを取り除く。東日本大震災では、東北沿岸のごみ回収を支援した。

 事務所では年に数回、船で市沿岸部を周遊する見学ツアーを開いている。新見泰之所長(56)は「港の物流や耐震機能を強化し、徳島の貿易を支えるとともに、多くの人に港の魅力を伝えたい」と意欲を見せている。

港の岸壁整備や海の環境保全に力を注ぐ新見所長