事件のあったマンションを調べる徳島県警捜査員=9日午前11時半ごろ、徳島市東吉野町2

 徳島市東吉野町2のマンションで9日発生した殺人事件で、死亡したパキスタン国籍の会社員男性(40)と、けがをした同じ国籍の会社員男性(39)は、いずれも今年入居したばかりで、同じ会社で働いていた。周辺では2人が行動を共にする姿がたびたび目撃され、近隣住民との交流もあった。マンションの家主はトラブルを把握しておらず、住民の間に「何があったのか」と戸惑いが広がった。

 家主(68)によると、2人は3月ごろに入居し、自分たちの関係について「兄弟」と説明していた。連れ立って家賃を支払いに来たり、一緒に車に乗ったりと、仲が悪いように見えなかった。

 日本語は十分に話せず、通訳を伴うこともあった。当初は女性を含め3人で同居していたが、1カ月ほどして「もう一つ部屋を借りたい」と申し出があり、けがを負った男性が同じ棟の別の階にある部屋に移った。

 死亡した男性と同居女性に野菜を贈ったという同じマンションの70代女性は「あいさつをしたら返事をしてくれて感じの良い2人だった」と言う。

 110番があった午前10時すぎ以降、現場周辺はサイレンが鳴り響き、捜査車両が次々と姿を見せた。マンションの通路や外階段では大勢の捜査員が鑑識作業を行い、上空では県警のヘリコプターが旋回。普段は静かな住宅街が緊迫感に包まれた。同じマンションの60代女性は「徳島でこんなことが起こるなんて怖い」と話した。