「ちょうさ」と呼ばれる太鼓屋台が勇壮に海へと飛び込む秋祭りで知られる日和佐八幡神社(美波町日和佐浦)で13日、神社の起源にちなんだ「創祀(そうし)700年祭」が開かれる。地域社会をつなぐ役割を果たしてきた八幡神社の祭り文化を後世に伝えていこうと、氏子らが企画した。
大浜海岸近くの日和佐八幡神社は「誉田別命(ほんだわけのみこと)(応神天皇)」が主神で、住民は海上安全や大漁などを祈願してきた。8台のちょうさが出る秋祭りは子どもから大人まで地域全体で運営しており、町外からも多くの見物客が訪れる。
神社の成り立ちが分かる記録は残っていないものの、同町の四国霊場23番札所・薬王寺が所蔵する古文書などによると、南北朝時代の1351年には神社が存在していたとされる。その記述から本殿建築などにかかる期間を逆算し、主神が祭られてから少なくとも700年がたったと判断した。
少子高齢化で祭りの担い手が年々減る中、神社の伝統を通して地域の絆を強めようと、昨年1月に氏子らが実行委を発足させ、準備を進めてきた。
700年祭では、午前10時から神事が行われ、同11時ごろから、ちょうさやみこしが境内を練り歩いて節目を祝う。記念碑の除幕や餅投げ、四国大生による書道パフォーマンスなどもある。
氏子代表の櫨山(はぜやま)准一総代会長(68)=同町奥河内=は「若い世代に伝統文化を引き継ぐきっかけになれば」と話している。