板野町の玉井孝治町長と石井町の小林智仁町長は12日の町議会で、県内公立高校の普通科で設けられている学区制について関係市町と連携して県教委に廃止を要望する考えを明らかにした。既に鳴門市の泉理彦市長が廃止を求める意向を示しており、歩調を合わせる。今後学区制の見直し論議が高まりそうだ。
県内公立校の普通科は徳島市、県西北部、県南部の3学区に分かれており、学区外から入学する定員は少数に限られている。板野町と石井町は県西北部に属し、徳島市内の高校合格は狭き門だ。中学生の選択の幅が限られるとともに、高校に進学しづらいことを理由に定住の壁にもなっている。
板野町議会では、水口昭彦氏が「学区制の影響で、選択肢が限られるため、希望通りの高校に進学できていない」と指摘し、県教委への働き掛けを町に求めた。
石井公生教育長は、2002年に「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」にあった「通学区域を定める」とした規定が削除され、全国で学区制廃止の動きが広がっている状況を説明した上で、見直しの必要性を強調した。
玉井町長は「地元の板野高校の活性化を図りながら、同じ課題を抱える鳴門市など関係市町と連携し、県議会も巻き込んだ要望を加速させたい」と答えた。
石井町議会では、永岡栄治氏が学区制に対する見解をただした。小林町長は「学区制の廃止について、リーダーシップを取る鳴門市と連携しながら、県に要望していきたい」と述べた。
泉市長は、11月の市長選で3選した後、3期目の取り組みとして県教委に学区制の廃止を求めていく考えを表明している。