いい写真を撮りたい。仕事柄、その気持ちは人一倍強いはずなのに、実力はなかなか伴いません。しかも大きな声では言えませんが、スポーツは撮影したことがありません。12日のホーム京都戦キックオフ前、女性サポーターを対象に開かれた写真講座「プロカメラマンを体験しよう!」に、こっそり参加してきました。
講師は徳島ヴォルティスのオフィシャルカメラマン滝畠豊美さん、試合中はピッチ横で大きなレンズのついたカメラを構えています。講座には定員20人を超える24人が集まり、いい写真を撮りたい!という熱意が背中から伝わってきます。
滝畠さんは、「いろいろなスポーツの中でも、選手たちが激しく動くサッカーの撮影はとくに難しい」と話します。撮影のコツをいくつか紹介してくれました。
◇コンパクトデジタルカメラだと、シャッターを押してからピントが合うまで、実際にシャッターが切れて撮影されるまでに時間がかかるので遅れがち。できればデジタル一眼レフで。
◇撮影する位置によって撮れるものが変わる。どこならいいものが撮れるか、場所取りが重要。
◇カメラの露出とシャッタースピードの設定に注意。スポーツモードで撮影するのがいちばん簡単。シャッタースピードが500分の1秒より遅くならないようにしている。
◇手ぶれを防ぐには一脚をつけて。
◇ボールを追いかけてシャッターを押すと遅れる。誰にパスを出すのかを予測しながら構えるといい。シャッターチャンスは予測するしかなく、「あ!」と思ったときには遅い。早め早めにシャッターを。
◇逆光になる場合、露出補正をプラスに設定するか、マニュアル露出で撮影して。
◇晴れているときはISO感度200~400で。ISOオート機能を活用するのもいい。夕方の試合では、日が暮れるのに合わせてISO感度を調整する。ナイターの撮影はISO3200まで上げる。
◇狙ったところにピントが合わない場合は、オートフォーカスのポイントを設定して。
滝畠さんは、「上達への近道はとにかくたくさん撮って練習すること」と話してくれました。
レクチャーの後は、実際にピッチサイドでウォーミングアップ中の選手を撮影します。カメラマン用の黄色いビブスを着用した女性サポーターが、角度を変えたり、高さを変えたりしながら真剣な表情でレンズを選手に向けています。
ちなみに。ヴォルティスのスタッフから「練習中はボールが飛んでくることがあるので気をつけて。うまくよけるのもプロカメラマンの技術」と注意がありました。
すると、後ろから忍び寄る大きな影…。ヴォルタくんとティスちゃんが「わっ!」と驚かせると、サポーターたちはびっくりしつつもヴォルタくん&ティスちゃんに被写体をチェンジ。
いろいろなポーズをとって大サービスのふたりは、記者(サポーター見習い)のカメラにヴォルタくん&ティスちゃんのぬいぐるみストラップが付いているのに気づいて喜んでくれました。うれしい★
…というのはさておき(ダメだ、マスコットに惑わされる)。素敵な写真を撮れるようになるには、撮影あるのみ。お気に入りの選手をレンズ越しに追いかけ続けていると、知らず知らずのうちに上達するのかもしれません。