阿波市の阿波高校ダンス部が、新型コロナウイルス禍で減った地域のイベントなどに代わる新たな発表の場を求めて奮闘している。10月には全国放送のテレビ番組に応募したダンス動画が採用されて反響を呼び、今月中旬には校内でクリスマスに合わせたパフォーマンスを計画。「踊りたい」といういちずな思いで困難な状況を打開している。

 ダンス部には1、2年生女子各9人の計18人が所属している。

 昨年度までは大会出場や県内各地のイベント出演に加え、近くの高齢者施設やこども園を訪れて利用者と一緒に踊って交流する地域貢献活動にも積極的に取り組んでおり、発表の場は毎月数回あった。

 しかし、コロナ禍が拡大した3月以降はイベントや施設訪問が相次いで中止となり、学校も休校になった。活動再開を心待ちにする部員は直接会えない状況下でも連絡を密に取り合い、新たな振り付けを考えるなど技術向上のための努力を欠かさなかった。

 休校明けの5月に活動が再開されてからも、発表の場がなく目標を見いだせない状況が続いた。それでも部員たちはダンスで培ったポジティブさを発揮し「こんな状況だからこそダンスで多くの人を元気づけたい」と話し合って新たな活動の場を探し始めた。

 そんな時に引退した先輩から、日本テレビ系の情報番組「スッキリ」のダンス動画募集企画を知らされて参加を決意。アイデアを出し合って阿波踊りの所作や掛け声を取り入れた徳島ならではのダンスを作り上げ、撮影や編集も自分たちでこなして動画を完成させた。

 動画は10月9日に番組内で放送され、ユニークな振り付けや映像が話題になった。番組の公式ユーチューブチャンネルでも公開されると、再生回数が2万回を超え「上手に踊っていてすてき」「みんなキュート」といった称賛のコメントが続々と寄せられた。

 大きな反響にダンスを見てもらえる喜びを改めて実感した部員たちだったが、コロナ禍の収束が見通せない中で人前で踊れる機会はまだ限られている。このため、校内にある野外ステージで感染防止に配慮しながら自主的な発表会を開くことを決めた。

 当日は華やかにライトアップした舞台で、クリスマスソングにのせてオリジナルのダンスを約20分間披露する予定だ。日程は現在調整中で、観覧できる人を学校関係者のみに制限する。

 部員は今後も動画を使ったパフォーマンスの発信を強化するなど新たな活動の模索を続ける。森あかね部長(16)=2年=は「大好きなダンスを続けるためにできることを考えたい。私たちの踊りで多くの人に笑顔を届けられれば」と力を込めた。