全国陳情アクション事務局長・井田奈穂さんに聞く

「徳島からも声を国に届けて」と呼び掛ける井田さん(本人提供)

地方から国へ声届けよう

 地方議会への「陳情」を通じて、選択的夫婦別姓の導入を目指す市民団体がある。「選択的夫婦別姓・全国陳情アクション」。徳島県を含む全国に約210人のメンバーがおり、これまでの活動によって、制度導入を望む63の意見書を地方議会から国へ送っている。井田奈穂事務局長(45)=東京都、会社員=に話を聞いた。

 ―なぜ地方議会への陳情を始めたのですか。

 2017年、事実婚だったパートナーと婚姻届を出しました。彼が腫瘍の摘出手術を受けることになり、事実婚だと家族として手術への同意ができなかったことがきっかけです。しかし、改姓はとても苦痛で、ツイッターでブツブツ言っていた。すると、「私も」という人たちと、どんどんつながったんですね。

 この声をどこかに届けようとなった。メンバー7人が集まり、自民党の国会議員に会いに行ったんです。そこで、その議員から「望んでいる人が地元にいないと国会議員は動かない。保守的な支援者に配慮してしまうから。自分たちで地元の議会に陳情をして」と促されました。

 18年8月、私の地元の中野区議会に陳情。12月、区議会で「選択的夫婦別姓制度の法制化を求める意見書」が可決され、国に送られました。困っている人はあちこちにいる。同じことが各地でできるはずだと思い、ウェブサイトを立ち上げました。

 ―12月14日時点で、地方議会から出された選択的夫婦別姓の導入に賛成する地方議会の意見書は163件で、うち63件がアクションの働き掛けによるもの。活動はどう広がったのですか。

 SNSの力が大きいですね。報道で知ってくれた人もいます。この活動を始めるまで政治活動の経験はなかったのですが、動くと手応えがある。議員さんも話を聞いてくれる。最近は自民党主導の意見書も増えています。「もっと早く行動しておけばよかった」と言う人はたくさんいます。

 徳島県内からの賛成の意見書はまだありませんが、議会への働き掛けを目指すメンバーはいます。

 ―11月に早稲田大と合同で実施した意識調査では、全国の7千人から回答を得て、70・6%が賛成との結果が出ています。

 性別と都道府県別の人口分布に割り付け、回答を回収しました。徳島県では67・5%が賛成で、女性回答者で反対した人はゼロでした。反対しているのは40、50代の男性。年配の男性の反対が多いのは全国的傾向です。若者、改姓を強いられる女性の苦痛を分かってほしいと思います。

 望んでいるのは別姓を選択する自由。夫婦同姓を否定しているわけではありません。選択的夫婦別姓を巡る議論をイデオロギーの問題と捉える人もいますが、違います。生活上の困り事に直面した当事者の声を、聞いてもらいたいのです。

 「選択的夫婦別姓・全国陳情アクション」への登録は<https://chinjyo-action.com/>から。メンバーで陳情のノウハウの共有をしている。