編集後記 制度導入「不断の努力」を

 計画の政府原案にあった「政府においても必要な対応を進める」という表現は、自民党反対派の意向を受けて「更なる検討を進める」と後退した。今後5年間の女性政策の指針となる政府の「第5次男女共同参画基本計画案」での選択的夫婦別姓を巡る文言だ。

 計画の策定に向け、政府が8~9月に実施したパブリックコメントには、「事実婚では子どもが持ちづらい」など約400件の制度導入を求める意見が寄せられた。「選択的夫婦別姓・全国陳情アクション」と早稲田大が実施した大規模調査では、20、30代では78%が賛成している。司法への訴えも相次いでいる。

 「世界で夫婦同姓を強制する国はほかにない。別姓で問題があるなら、データが出ているはずだ」と井田奈穂さんは指摘する。それでも、論拠の不明な「家族の一体感がなくなる」といった反対派の主張が通るのが今の日本だ。

 しかし、日本は国民主権の国。現実を変えようとするなら、選挙での投票先を熟考する。地元の議会や県議会に陳情をし、声を可視化することもできる。井田さんは言う。「両性の本質的平等、個人の幸福追求権を保障する憲法も、私たちの『不断の努力』を必要としている。だから、声を上げていきましょう」。