鳥インフルエンザ感染が確認された養鶏場で処分作業をする関係者=阿波市阿波町西正広、19日、午前7時

 徳島県阿波市の養鶏場で見つかった鶏の死骸に関し、県は19日、遺伝子検査の結果、高病原性の疑いのある鳥インフルエンザと確認した。県内の養鶏場での発生は初めてで、全国では今季12県目(29例目)。県は家畜伝染病予防法に基づき、この養鶏場で飼育されていた8149羽を殺処分した。

 県は19日午前2時ごろ、高病原性の疑いのある「H5亜型」のウイルスが遺伝子検査で検出されたことを確認。県庁で危機管理対策本部会議を開き、飯泉嘉門知事が殺処分を指示した。間もなく始まった殺処分は午後5時半に終了した。処分した鶏は養鶏場付近の用地に埋却し、鶏舎などの施設を消毒する。これらの防疫措置は21日までに終わらせる。

 県は鳥インフルエンザが確認された養鶏場から半径3キロ圏内を卵や鶏の移動を禁止する「移動制限区域」に、半径3~10キロ圏内を区域外への搬出を禁じる「搬出制限区域」にそれぞれ設定した。移動制限区域では養鶏場10カ所(うち未使用3カ所)が計約17万5千羽を、搬出制限区域では44カ所(11カ所)が計約66万5千羽を飼育。県職員が移動制限区域内の養鶏場7カ所の鶏を見て回ったところ、異常はなかった。

 農林水産省職員らでつくる「疫学調査チーム」が現地に入り、感染経路の調査を始めた。環境省は、養鶏場から半径10キロ圏内を「野鳥重点監視区域」に指定し、区域内に不審な野鳥の死骸などがないか監視を強化した。

 県は制限区域の境界付近となる阿波、吉野川、美馬各市の主要道路などに、鶏や飼料の運搬車両のタイヤを消毒するポイント6カ所を新たに設置。消毒ポイントは既に香川、高知県境に設けているのと合わせ計14カ所となった。

 飯泉知事は、農林水産省から派遣された熊野正士政務官と県庁で面会し、早期の原因究明を要請。熊野氏は、生産者や消費者への正確な情報提供、まん延防止のための人的、物的支援などを約束した。

 農水省は省内で防疫対策本部を開催。野上浩太郎農相は「(家禽(かきん)の管理方法を定めた国の)飼養衛生管理基準が守られなければウイルスの侵入を許すことにつながる」と危機感を表明。各都道府県に養鶏場への指導を徹底するよう求める考えを示した。