2015年12月の神山町議選(定数10)で無投票当選した町議5人が、立候補を検討していた元町議の男性に出馬断念を働き掛け、選挙後に現金計50万円を渡した疑惑を巡り、取りまとめ役とされる高橋和男町議(66)の後援会幹部が17日までに、金銭授受があったことを認めた。幹部は現金を渡した理由について「見舞金だった」と弁明。高橋町議も「(出馬見送りの礼の意味では)私の方はなかった」「(男性が現金を受け取らず)もんてきたのが救い」などと、金銭授受を事実上認めた。高橋町議は当時、副議長だった。

 後援会幹部は現金の趣旨について、元町議が徳島新聞の取材に証言した「選挙から下ろすため」ではない、と強調。健康不安を抱えていた元町議が出馬しない可能性が高いことは、周知の事実だったとし「出馬を勧めこそすれ、断念させる必要はなかった」とした。

 その上で、元町議が長年町政に携わったことへのねぎらい、議員報酬を失った後の生活に役立ててもらおうとの気遣いからだったと説明。「どういう趣旨の現金か明示しなかったことと、選挙後というタイミングが誤解を生んだ」と釈明した。

 一方、現金10万円ずつを出した疑惑を持たれている他の4町議については「町議選の謝礼の意味が全くなかったかどうかまでは分からない」と語った。

 高橋町議は16日夜、自宅前で徳島新聞の取材に応じ、後援会幹部の弁明内容について「全部その通りとは言えない」とした上で、金銭授受は暗に認め「元町議があれだけしゃべるとは認識不足だった」「何を言っても不利になる。こらえてくれ」と何度も述べた。

 17日の再取材には「弁護士を挟むので、今は何とも言えない。(今後は)事実無根で通す」と答えた。

 他の町議4人は16、17日の取材に「知らない」「ノーコメント」「(後援会幹部の話について)それはない」と改めて否定した。

 見舞金について、神山町議を15年以上務めた経験のある元町議は「選挙の有無や議員の引退時に限らず、そんな慣習はない。議員が議員に金を渡す、などという話は聞いたことがない」と話している。

 15年12月の神山町議選は定数を前回(11年)から2削減して実施。11月19日の立候補予定者説明会は11陣営、12月7日の立候補書類の事前審査には10陣営が出席していた。

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 神山町の高橋和男町議との主なやりとりは次の通り。

 ―現金授受の疑惑がある。

 こんなに新聞に書かれたら、どないしていいか分からんのが現実なんよ。こらえてくれ。本心は言えん。

 ―後援会幹部は現金授受を認めている。

 彼は彼で言いよるが、それで良しとは言えない。ペラペラしゃべったら書くだろう。お前も分かるだろう? 武士の情けは新聞には通じない。とにかく事実無根でずっと通すけん。(今となっては現金が)もんてきたのが唯一の救い。言うても不利になることばかり。中立的な立場で書いてくれ。

 ―選挙に出馬しなかったことへの謝礼ではないのか。

 私の方は違う。私は選挙になってもそこそこ当選できる札(票)があったから。運動員からすると、なんでほこまでするんなと。私も(2年前に)済んどる話を言われて、何を言いよんかなって。

 ―確認だが、金銭授受は間違いないか。

 やめんか、もう。