大正時代、護憲運動の先頭に立ち「憲政の神様」と称された尾崎行雄の活躍期間は長く、昭和20年代まで及ぶ。敗戦を機に身を引くつもりでいたが、支持者が許さなかった。1953年の総選挙で落選し、60年を超す議員生活に幕を下ろす。その時、94歳

 衆院歴代2位の93歳で引退した淡路の原健三郎元衆院議長の場合は、いささか趣が違う。「生涯現役、死ぬまでやる」。気ままな発言が持ち味の「ハラケン」は議席にこだわった。在職50年余、本四架橋に力を尽くす

 92歳、それも国のトップというから大したものである。前政権の極端な腐敗に揺れるマレーシアで、マハティール氏が首相に返り咲いた。選挙で選ばれた指導者では世界最高齢という

 健康の秘訣は「生涯現役」。信条はハラケンとも通じるが、既に後継者が固まっており、数年内に交代する考えらしい。もっとも、政治家の言うことだから古今東西、当てになるかどうか

 先の在任期間は81~2003年。日本や韓国に倣う「ルックイースト(東方)政策」を掲げ、経済を飛躍的に発展させた。国民にとっては「夢よ、もう一度」といったところか

 一つ年下の夫人との結婚生活は60年を超す。円満にいくには「寛容さが大切」とか。強権的な政治手法、歯に衣着せぬ発言でも知られる権力者の、意外に平凡な回答である。