徳島県小松島市の日峯大神子広域公園(脇谷地区)の再整備に伴い、存続の危機にある小松島市中田町脇谷の「金長大明神」(通称・金長神社)が会場となる「春のまつり・金長まつり」が13日、開かれた。来場者からは、神社やまつりの存続を求める声が相次いだ。
あいにくの雨のため、行事は近くの北小松島小学校体育館で開かれた。多くの家族連れらが訪れ、けん玉大会や阿波踊りなどを楽しんだ。
毎年、楽しみにしているという木下啓子さん(68)=同市中田町土持、主婦=は「神社やまつりの風景は市民の財産。なくさないでほしい」と求めていた。
神社横の広場で開かれた開会式には浜田保徳市長が出席。あいさつでは「神社の存続に向けて取り組んでいく」とした上で「存続は市民の支援がなければできない。地元の人らも一致団結して神社を残す方向で検討してほしい」と述べた。
市は神社の保存策として、再整備した公園の管理棟に金長だぬきの資料やモニュメントを設置する案をまとめ、公園の整備方針を協議する有識者会議に示している。市長は式の後、会議の議論を見守る考えを示した。
まつり委員会委員長の安平剛之・小松島商工会議所会頭は開会式でのあいさつの中で、再整備事業でまつりが最後となる可能性が出ていることについて「小松島になくてはならない。存続に向けて努力する」と強調した。