経営基盤を強化し、再スタートした本家松浦酒造場=鳴門市大麻町池谷

 老舗酒造会社の本家松浦酒造場(徳島県鳴門市)が、沖縄県の元ホテル経営者の会社に事業を譲渡していたことが18日、分かった。有利子負債の解消などによる経営基盤の強化が目的で、本家松浦酒造場の社名や従業員、商品ブランドは新会社がそのまま引き継いでいる。
 
 新会社への事業譲渡は8月1日付。譲渡の受け皿会社として設立された「アワーズ」=鳴門市、喜屋武(きゃん)博樹社長=が酒類製造など全事業を買い取った上で名称を「本家松浦酒造場」に変更し、喜屋武氏が社長に就任した。譲渡額は明らかにしていない。
 
 松浦素子前社長(53)は新会社の執行役員に就き、「10代目蔵元」として引き続き営業活動などに携わっている。
 
 本家松浦酒造場は江戸時代後期の1804年に創業し、清酒「鳴門鯛(たい)」などを販売している。2016年9月期の売上高は約4億円。従業員17人。
 
 若者の日本酒離れが進む中、清酒やリキュール酒の新商品を開発するなどして販売拡大を図っていたが、設備投資などで累積した10億円規模とみられる有利子負債を抱え、厳しい経営を続けていた。有利子負債は、「なると」に社名変更した元の本家松浦酒造場に引き継がれ、負債圧縮のため資産売却などを進めた上で清算される見通し。
 
 喜屋武社長は沖縄県出身で57歳。ソフトバンクやジャストシステムで勤務し、その後、独立して那覇市でシティホテルを経営。15年4月にホテルを別の企業に売却し、現在は本家松浦酒造場の経営に専念している。
 
 喜屋武社長と松浦さんは「本家松浦酒造場のブランドと酒造りを守りながら、消費者のニーズに合った新商品の開発を進め、次代につなげていければ」と話している。