徳島市の徳島中央公園に大ヒット中のアニメ映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」に登場する車両と同じ形式の蒸気機関車(SL)が展示されている。設置場所は「鬼滅の刃」を手掛けたアニメ制作会社「ユーフォーテーブル」の徳島スタジオや「鬼滅」フェアを開催中のカフェから近いこともあって、多くのファンが訪れて写真を撮るなどして作品の世界に浸っている。

 

 展示されているSLは「8620形」で、1923年から県内の市街地や山間部を走り続け、69年7月に徳島ー小松島間の運行を最後に役目を終えた。その後、徳島の経済や文化の発展に大きく貢献した功績をたたえて、70年3月から現在の場所での展示が始まった。映画では8620形が「無限列車」として物語の舞台となり、主人公の竈門炭治郎 (かまど・たんじろう)や 煉獄杏寿郎 (れんごく・きょうじゅろう)ら鬼殺隊一行と鬼との熾烈(しれつ)な闘いが繰り広げられた。作品ファンの間では無限列車になぞらえて、作品を鑑賞することを「乗車」と呼び、SNS上で「きょう○回目の乗車してきた」と報告することもブームとなっている。

 

 訪れる鬼滅ファンの中にはキャラクターのグッズを持ち込む人もおり、車体と一緒に撮った写真がSNS上にアップされて注目を集めている。ただ、写真を見たファンからは、さびや塗装のはがれといったSLの保存状態の悪さを指摘する声に加え、前面にフェンスが設置されて写真が撮りづらそうだという意見も寄せられている。

 

 公園を管理する市公園緑地課の担当者によると、フェンスはSLの前部に人が上るなどして破損するのを防ぐために設置している。数年前に塗装をリニューアルしており、今のところ改めて補修する予定はない。担当者は「映画をきっかけに注目を集めていることは喜ばしい。安全面に配慮して撮影などを楽しんでもらえれば」と話している。