アグリビジネス棟の植物工場でレタスを栽培する城西高生=徳島市の同校

 農業の6次産業化に取り組む城西高校(徳島市)に、新たにアグリビジネス棟が完成した。農産物の生産から食品加工、流通販売までを一体的に学ぶことができ、食ビジネスで活躍する人材の育成が期待される。毎週水曜日に開いている校内直売所「そよかぜ販売所」もアグリビジネス棟内に移し、16日午後2時から生徒たちが野菜、加工食品などを販売する。

 アグリビジネス棟は木造平屋492平方メートルで、新学期から利用を始めた。生産、加工、販売の3分野でスペースを区切り、アグリビジネス科の生徒が実践的な学習に取り組む。

 生産スペースでは植物工場を整備し、LEDを使った養液栽培で農産物を計画的に生産する。加工では菓子、瓶詰め・缶詰め、アイスクリーム類の各営業許可免許を取得。実習で作った野菜や県内農産物を使った商品開発に取り組む。販売はそよかぜ販売所を活用し、接客サービスやマーケティングを学ぶ。

 生徒たちは16日の販売所の新装開店を控え、準備に追われている。植物工場ではリーフレタスの種まきや収穫作業を実践。上勝小児童と一緒に考えた葉わさび入りのパウンドケーキ、イチゴジャムなども作っている。

 同校では4月に、生徒による模擬会社アグリードも発足させた。県内の障害者支援施設の商品や、発展途上国から公正な価格で購入する「フェアトレード」商品などの委託販売を手掛け、販売流通現場の実務を学ぶ。

 アグリード社長の佐藤永樹さん(16)=2年=は「新しい施設を活用し、全員一丸となって栽培や加工に取り組んでいる。販売日には一人でも多くの人に足を運んでほしい」と話している。