政府の地震調査委員会が19日公表した四国地域の活断層地震の長期評価で、30年以内の発生確率が四国で最も高かった愛媛県西条市―松山市間の中央構造線断層帯(石鎚山脈北縁西部区間、約41キロ)で想定されるマグニチュード(M)7・5程度の地震が発生した場合、徳島県西部は最大6強の揺れに見舞われる可能性があることが分かった。専門家は「発生確率は非常に高く、いつ起きてもおかしくない」と警鐘を鳴らしている。
石鎚山脈北縁西部区間は近年地震調査が進み、今後30年以内に活断層地震が起こる確率が四国では最も高い「11%以下」とされている。活断層に詳しい徳島大大学院の村田明広教授(構造地質学)によると、同区間で想定されるM7・5の地震が発生した場合、三好市など県西部では最大で6強の揺れが起こる可能性がある。徳島市の平野部でも地盤の状態によっては非常に強い揺れに見舞われる恐れがある。
活断層地震は活動間隔が非常に長いため、「30年確率」は小さくなる。例えば、発生間隔が千年~1600年の中央構造線地震の場合、仮に前回の地震から1600年以上が経過していても30年確率の最大値は理論上、十数%程度にしかならない。「11%以下」という数値に、村田教授は「非常に高い数値で、いつ地震が起こってもおかしくないことを表している」と話す。
1995年に阪神大震災をもたらした野島断層の場合、30年確率は8%以下、熊本地震の本震を引き起こした布田川断層帯は0・9%以下だった。
1596年に発生した慶長地震では、9月1日に愛媛県でM7の地震が起こった後、わずか5日間のうちに大分、兵庫両県でもM7以上の地震が発生した。村田教授は「一つの活断層が動いたら周囲の活断層も連動して地震を起こす可能性がある。日頃から備えを怠らないでほしい」と呼び掛ける。