世界中で愛されている「第九」をあなたも歌ってみませんか−。認定NPO法人鳴門「第九」を歌う会の指導者、大井美弥子さんに、初心者が歌えるようになるためのポイントを教えてもらいました。
歓喜、美しき神々の火花、
楽園の乙女!
われらみな火の酒に酔い
天なる汝の聖堂に踏み入る!
世の習わしは厳しくわけ隔つるも、
汝が魔力が再び結びつける。
汝がやさしき羽交の下に憩わば、
すべての人々は兄弟となる。
詩・F.シラー
訳・小松雄一
誰かに届ける気持ちで
「第九」はメッセージ性の強い歌。「歓喜」を意味する「フロイデー」で始まり「全ての人々はきょうだい(同胞)となる」という歌詞も出てきます。言葉の意味を理解し、それを感じたり思いを乗せたりしながら歌いましょう。
まずは歌詞を読んで言葉に慣れることから始めましょう。片仮名を読むことに必死になってしまうとメロディーの良さが生きてきません。平板にならないよう、子音をはっきり発音することや言葉の心地よいリズムを意識するといいでしょう。
次にその言葉をメロディーに乗せていきます。口先だけではなく、体全体を響かせて歌うイメージですよ。リラックスしておなかの底から息を送り出し、誰かに届けるような気持ちで歌うといいでしょう。
皆さん、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。そう、日本人にもなじみの深いあのメロディーです。音の上がり下がりが少なく初心者でも親しみやすくなっていますので、思い切って挑戦してみませんか。