子どもの写真を撮る赤坂さん=藍住町徳命の「Affetto Cocon.」

 元保育士で写真家の赤坂有希さん(35)=徳島県藍住町=が、先天性疾患のある息子の撮影をきっかけに、写真の力を子育て支援につなげようと、同町徳命にフォトスタジオをオープンさせた。撮影に訪れる母子に対し、保育士や母としての経験を生かして寄り添い、育児ストレスの緩和や居場所づくりを目指す。

 スタジオ名は「Affetto Cocon.(アフェット・ココン)」。イタリア語のコン・アフェット(愛情を込めて)と、子、個、古今の造語。赤ちゃんや母子の姿を撮影するほか、スマートフォンやデジタルカメラを使った撮影レッスン、写真家として起業を目指す人向けの講座などを行う。子育てカウンセラーとして、育児相談にも応じる。

 3児の母。昨年4月に生まれた第3子の両目に先天性緑内障が見つかり、いつまで見えるか分からないと医師に告げられた。「生まれ育つことは奇跡。この瞬間を記録したい」と息子の姿を撮る中で「子どもを愛していても腹が立ち、叱って自己嫌悪に陥ることもある。写真を見返すことで愛情を再確認し、親の気持ちも楽になるのでは」との思いが芽生えた。

 通院のため保育士の仕事は難しくなり、産休明けに退職した。一般社団法人ママフォトグラファーアカデミー(東京)の認定講師から撮影技術を学び、6月にスタジオを構えた。撮影中は出産時や子どもとの思い出、育児の悩みなどの話に耳を傾け、孤独感を抱きがちな母親が心身を休められるよう努める。

 赤坂さんは「写真を残しておくという単純なことだけど、1、2年後につながる子育て支援になる。ママたちに大丈夫だよって伝えてあげたい」と力を込めた。