夢に向かってジャンプ-。陸上の男子走り幅跳びで昨年、2人の徳島県関係選手が日本一に立った。国内最高峰の大会・日本選手権を制した津波響樹(22)=大塚製薬=と、全国中学生大会で優勝した元木涼介(15)=三加茂中。津波は出場が有力視される今夏の東京五輪でメダル獲得を狙い、春から高校生になる元木は今後3年間での「8メートル超え」を目標に掲げる。戦うステージは異なる2人だが、世界を見据えている点は同じ。五輪イヤーの今年、さらなる飛躍を誓う。

 身長168センチの津波と172センチの元木。並んで立つと、元木の背丈が一段高い。トップ選手の中でも津波はかなり小柄。その体格で8メートル23も跳べるのは、短距離選手にも引けを取らないスピードを備えているからだ。

 東洋大4年時の2019年に東京五輪参加標準記録(8メートル22)を突破。夢舞台に近づいた。20年春、大塚製薬陸上部への入部直前に新型コロナウイルスの影響で五輪延期が決定。「準備期間が増えた」と前向きに捉え、トレーニングに励んだ。

 昨秋の日本選手権初優勝を「うれしかった」と振り返りつつも、7メートル99の記録には不満顔。「8メートルが世界で戦うスタートライン。どんな試合でも超えられないと勝負できない」。色紙に記した新年の目標は「東京五輪でメダル獲得」。実現に向け、現状に満足することなく上を目指す。

 その「8メートル超え」を次の目標に定めるのが元木だ。昨年8月、日本中学記録まで1センチに迫る歴代2位の7メートル39をマークし、一躍その名を知らしめた。「全国で戦える自信が付いた」と話す。10月には初の全国優勝と、急成長を遂げた。

 高校から競技を始めた津波が初めて7メートルを超えたのは、那覇西高2年時。元木の記録に「かなりすごい」と感嘆し「アベレージを上げていけば、もっと大きい記録が出るはず」とエールを送る。

 元木は今春、高校に進学。その後の3年間で8メートル台を目指す。日本の高校生では1人しか超えていない高い壁だが「達成したい」と意気込む。「もっとスピードを付けたい。体も細いので、しっかり食べて筋肉を付けないと」と課題を挙げる。

 先が見通せないコロナ禍で開催が危ぶまれる東京五輪。それでも津波は「開かれた時に結果を残せるよう準備していく」と足元を見つめる。元木も将来の五輪出場を夢見て「津波選手のように日本代表になりたい」と胸を躍らせる。

 日の丸を付けた2人が世界の舞台で共演する姿が、いつか見られるかもしれない。

 もとき・りょうすけ 加茂小5年から地元の陸上クラブ・東みよしTFで競技を始めた。三加茂中1年だった2018年のジュニアオリンピックで5位入賞。20年8月の全日本中学生通信徳島大会で日本中学歴代2位の7メートル39をマーク。同10月の全国大会で優勝した。172センチ、58キロ。

 つは・ひびき 那覇西高で本格的に走り幅跳びを始めた。東洋大4年の2019年8月、東京五輪の参加標準記録を1センチ上回る8メートル23をマーク。同9月の世界選手権に初出場。20年4月に大塚製薬陸上部に入部し、同10月の日本選手権で初優勝した。168センチ、63キロ。沖縄県豊見城市出身。