徳島県内の新型コロナウイルス感染者数は、2月に県内で初めて確認されて以来約10カ月で累計196人(30日時点)となった。このうち8月と10月に計五つ発生したクラスター(感染者集団)関連は89人(2次感染者含む)で、45%を占める。11月以降、全国的に感染が拡大する中で、徳島は感染者数が都道府県で3番目に少なく、「第3波」の波及は免れている。年末年始は帰省などで人の動きが活発になるため、専門家は徹底した感染対策の継続を呼び掛けている。

 県内で初めて感染者が確認されたのは2月25日。クルーズ船「ダイヤモンドプリンセス」の乗船者だった。6月末までの4カ月間に判明した感染者は6人。東京や大阪などで感染が拡大し、緊急事態宣言の発令につながった全国的な潮流とは一線を画した。

 状況が変わったのは7月。県外から来県、もしくは帰県した20、30代を中心に1カ月で20人が感染した。8月には高齢者施設やカラオケ喫茶で四つのクラスターが発生。他にも寄宿舎で暮らす県立学校生やサッカーJ2徳島ヴォルティスの選手、徳島大学病院の看護師らの陽性が分かり、さまざまな場所に感染が広がった。9月中旬までに高齢者9人(うち1人は県外在住者)が死亡した。

 10月にはカラオケなどを利用した徳島大生のクラスターが発生し、友人らにも波及。関連の感染者は14人に上った。11月は17人、12月は15人(30日時点)で、8月に比べて落ち着いているものの、ほぼ2日に1人の割合で感染が確認されている。

 12月には徳島市の男子小学生や県立高校に通う女子高校生も感染。濃厚接触者と認定された2人のクラスメートらが計85人に上るなど、集団生活の場で影響が広がるケースもあった。

 感染者を年代別にみると20代が21・4%の42人で最多。60代26人、50代25人と続く。60~100歳代が計82人で、全体の42%を占める。

 11、12月はクラスターの発生がないものの、県外に出掛けた人からその家族へ「家庭内感染」する事例が目立っている。

 県医師会感染症対策委員長の田山正伸医師は「クラスターの発生を防ぐのが重要。複数のコミュニティーで感染が広がればクラスターにつながる。家族以外との会食や、マスクを外した状態での接触は極力控えてほしい。発症前に周囲に感染させるケースが多いので症状がなくても対策の徹底を」と話している。