大輪総合運輸が居眠り防止のため導入した警告装置。眠気を察知すると警告音が鳴る=鳴門市撫養町の同社

 徳島県内の運送業界で、居眠り運転撲滅に向けた動きが広がっている。鳴門市の徳島自動車道で大型トラックが路肩に止まっていたマイクロバスに追突し、高校生ら16人が死傷した事故から25日で4カ月。居眠り運転が事故の原因になったとみられていることから、鳴門市の運送会社がドライバーに居眠りを警告する装置を導入したほか、県トラック協会は研修などを通して啓発を強化した。

 鳴門市撫養町の大輪総合運輸は県内で初めて、大型トラックへの居眠り運転警告装置の設置を始めた。年内に所有する全31台への装着を終える計画。装置は1台15万円で会社にとって決して安い投資ではないが、新しい技術の力も借りて居眠りを防ぐ必要があると考え導入を決めた。

 運転席の背もたれにセンサーを設置し、ドライバーが居眠りに陥りやすい体の状態になると、ダッシュボードに置いたコントローラーから警告音が鳴る仕組み。履歴が記録されるため、運転後に運行管理者も確認し、より安全な運転につなげられるという。

 同社従業員でドライバー歴20年の竹松健さん(46)は「眠気の自覚がなくても警告音が鳴ることがあって、これまで以上に小まめに休憩を取るようになった」と話す。

 また、徳島道の事故で自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪に問われた元トラック運転手の公判では、被告が7年前に重度の睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断されながら、独断で治療をやめていたことが明らかになった。寝ている間にたびたび息が止まるため熟睡できず、日中に強い眠気を感じる病気で、自覚なしに眠りに落ちる場合がある。

 県トラック協会は会員向けに年数回開いている安全講習に、SASの症状や居眠り運転につながるリスクなどについての説明を盛り込む。従業員のSAS検査に対する費用助成も行っており、利用を呼び掛けている。

 同協会の郡信彦専務理事は「SASの運転リスクへの認識は、会員の間で広がりつつある。さらに啓発していきたい」と話した。